雪山教室 実技3 谷川岳雪洞

<例年は1班受講者5名に講師1名を配置していますが、今年は降雪が少ないので、作ることもままならないことを予想し、また作るにしても大きなのが無理と判断して1班受講者4名として、9班編成にしました。(昨年は7班)また、雪洞無理の場合に備えテント9張も積載しました。>

 「雪山教室の2月度 実技3 緊急避難・雪洞構築 の報告」

 期日: 2月13~14日   場所: 谷川岳ロープウェイ付近
 受講者: 34名(欠席3名) と 取材:山渓社1名
 講師: 9名 (切嶋、岩丸、山本、鈴木博、江崎、荒井、中島、鈴木幸、永井)
 内容:
 *前夜12日16時、岳連事務所に装備運搬の先発3名(岩丸・山本・鈴木)集合。
  例年にない9班分の装備を積んで6時過ぎ出発。ロープウェイ駅に22時過ぎ到着。

 *13日(土)曇りのち一時晴、夜半から雨。8時過ぎ先発3名で雪洞設営適地を探すが、今年は2mに未たない積雪のため例年の構築場所も使えない。かろうじて資料館付近に2mを超す場所を見つける。

 *10時半、受講者・講師がロープウェイ駅に集合。9班の班ごとに装備を分ける。
  構築予定場所はロープウェイ社保有の土地になるので使用承諾を貰って出発。
  適地と思われる処の頂上からプローブを刺すが先が地面に届いても余りが出るほどしか雪が無い状態。また一方、雪の状態は緩いので掘るのは楽に進む。
  このようなコンディションの中、講師の経験と指導の賜物で、4時頃には全9班とも完。

 *しかし、夜半は雨の予報なので、万一に備え各班とも雪洞付近にテントを設営する。
  トイレは例年のごとくロープウェイ5階を使わせてもらう。

 *雪洞内で楽しい共同食の夕食を食べ、ほのかなローソクの灯の下、懇談にふける。
  雪洞作りの重労働の後、唯一のそして雪洞ならではの「ご褒美」のヒトトキを過ごす。
  宿泊については、夜半からの雨を予想して、また軟雪なので天井の沈み込みのひどい班では、雪洞泊を止めて、全員テント泊や半分がテント泊などの対策を行う。

 *12時ごろからかなり強い雨になる。豪雪地区にいて雨とは、今年はまったく異常な天候。

 *14日(日)雨。6時頃から朝食。8時にロープウェイ駅に集合。装備を返却回収する。
  雨が降り続いているので、予定を変更して、江崎講師による「テント、ツウェルトのたたみ方」と「ビーコン操作の方法」の実地講習を1時間あまり、ロープウェイ駅の軒先を借りて行う。

 *10時25分のバスに乗るため、今回の実技は10時に繰り上げ解散とする。

 *けが人、事故者はなし。

 *悪条件下の雪洞作りではありましたが、雪洞構築の手順や掘ることを体験し、全9班が作れ、また、雪洞内で食事や睡眠などを受講者に経験して貰えたのはなによりでした。
                          文責 岩丸。


雪洞構築場所選び風景


掘り出し作業


完成後の室内


雨で沈下した入口